チェッカーボードのモンタナ・サファイア
今回はモンタナ・サファイア6つを出品します。そのうち3つは、米国のファセット・デザイナー、Scott Laborieによる『Orb』デザインをベースに研磨しました。このデザインは、彼がモンタナへの旅行準備中にインスピレーションを得て、サファイア(コランダム)に最適な角度で設計したチェッカーボードです。
デザイナー紹介:Scott Laborie
Scott Laborieは、パートナーのJoyce WangとともにSALT GEMSを運営しています。彼らのデザインと研磨したルースは、アメリカ宝石貿易協会(AGTA)の「Cutting Edge Award」で2021年と2023年に受賞歴があります。特に2023年には伝統的な研磨技法の卓越性が評価され、1位を獲得しました(詳細はhttps://agta.org/spectrum/entering-spectrum/2023-winners/をご参照ください)。
SALT GEMSのInstagramはこちら > https://www.instagram.com/saltgemsco/
モンタナサファイア “Orb” 0.836ct
このブルーグリーンのモンタナ・サファイアは、原石の幅と深さが十分だったため、Scott Laborieの“Orb”デザインで、変更を加えることなくそのままカットできました。コランダムに最適化されたこのデザインは、モンタナ・サファイア特有の深いブルーグリーンの色合いが、石を動かすたびに美しく輝きます。
研磨作業では、パビリオン側のプレポリッシュ(Pre-Polish、一次磨き)に新しいダイヤモンドパウダーを試しました。
これまでは粒度#3000のダイヤモンドパウダーをプレポリッシュに使用していましたが、今回はさらに細かい粒度#8000のダイヤモンドパウダーを使用しました。粒度#8000は削れる量が少なく、特に小さなファセットで削り過ぎることがなく、ポリッシュ(Polish、仕上げ磨き)も短時間で仕上がります。
ただし、削れる量が少ないため、ミートポイントのズレの微調整には時間がかかる場合があります。今後、粒度#3000よりも細かく、粒度#8000よりも荒いダイヤモンドパウダーもテストしたくなりました。
この原石は、今年の春に完全引退された米国のカッターご夫妻から譲り受けたものの1つです。今ではなかなかお目にかかれない鮮やかな色と大きさだったので、自信を持ってカットできるまで待っていました。
原石の美しさを損なわずにカットできて、この石を譲り受けた責任を果たせたような気がしました。
ご購入はこちら > https://www.raralab.shop/product/montana-sapphire-orb-0836ct/87
ブルーモンタナサファイア “Orb” 0.299ct
オールドストックのロッククリーク産原石をカットしました。原石がやや薄かったため、”Orb”のオリジナルデザインのままカットすることはできませんでした。
このため、パビリオンの角度はそのままにして、先端をオールドマインカット風にフラットに仕上げました。
この処理により、ブルーが濃すぎず、モンタナサファイア特有のカラーゾーニングが印象的なルースとなりました。
ご購入はこちら > https://www.raralab.shop/product/montana-sapphire-orb-mod-0299ct/88
モンタナサファイア “Orb” 0.509ct
この原石も、米国のカッターさんご夫妻から譲り受けた原石をカットしたものです。
クラウンを最初にカットしたところ、表面に貫通するクラックがありました。クラックの部分を全部取り除いたら、ルーペクリーンになりましたが、だいぶ薄くなってしまいました。そこで、ローズカット風に仕上げることにしました。
以前にカットしたフラットなスピネルの小さな星が可愛らしかったので、このモンタナサファイアにも背面に3度のカットを施し、さりげない美しさを表現しました。
また、背面のガードル近くにも39度のカットが入っています。サファイアのパビリオンとしては角度がかなり浅いカットです。角度が浅いと色は薄く見えますが、とても輝きます。
ご購入はこちら > https://www.raralab.shop/product/montana-sapphire-orb-mod-0509ct/89
撮影機材
ただいま調整中!